目黒新報2011春季号 福祉・教育・環境・平和〜区民との協働で未来を開く目黒へ〜


 東日本大震災と、それにともなう大津波、そして、原発事故にともなう
放射能被害と被災地での多大な被害はかつてないものになりました。


 さんま祭りなどの縁で目黒区の姉妹都市となっている気仙沼市の被害も甚大で、
多くの犠牲者や建物の崩壊にみまわれましたが、目黒区では、石油ストーブ、
灯油、毛布枚、水、アルファー米、紙おむつなど、そして医師会からは医薬品の
提供もありました。


 区議会議員は、駅頭のカンパ活動にたち、戸沢区議も中目黒、祐天寺、
学芸大の駅前にたち、多くの人の協力をえられました。



●崩れた原発安全神話、安心安全の街作りを



 中越地震でも柏崎原発の事故につながりましたが、今回はより重大な事故が連鎖的におき
周辺の安全、野菜や水などの安全など、甚大な事態を招いています。


 原発安全神話は崩れ、とりわけ、想定東海地震震源域の真上に建つ浜岡原発など、再点検、
中止等の対応が求められています。太陽光発電など、自然エネルギー発電の育成も求められています。


 当面、節電が求められ、目黒区では、住区会議室などの夜間と区内プールは終日、
4月一杯利用できないこととなりました。



●目黒区でも震度5.多くの帰宅困難者を区施設で受け入れ



 全都的には、震度5の大きなゆれですべての鉄道が終日止まり、
帰宅困難者が大量に発生しましたが、目黒区は、総合庁舎、住区センター、
区民センター体育館などの施設を開放し、毛布などを手配、区の職員も
派遣されました。


 保育園では、目黒に帰れず子どもを引取りにこれない人が生まれ、9園で、園児が宿泊し、
保育士が泊まりで対応しました。


姉妹都市 気仙沼支援のカンパ活動に参加



2011.4.11

【平成23年度目黒区予算決定】


 3月議会で決定された平成23年度目黒区予算は、889億余のほぼ昨年並みの規模で、
未だ地域経済の低迷が続くなか、暮らしサポート23とめいうった緊急経済対策を
盛り込み、福祉、子育て支援の条件整備のための施策も盛り込んで編成されています。


 ただし、冷え込んだ地域経済のなかで、歳入が落ち込み、また特別区民税が臨時増収の
あった2年前の経緯から都からの交付金が大きく減らされている(23年度まで)
こともあって、歳入不足で、区の貯金である基金を取り崩して、予算を組んでいます。

基金を取り崩しての編成は限界が近付いており、区は、緊急財政対策として、
待たれていた特養ホームの建設や東山小の大規模改修などを、2年間延期し、
課題を残すことにもなりました。



2011.4.11

求められる福祉基盤整備

 待機者が千名を越す特養ホーム、区立第4特養の計画が財政事情で2年延期となりましたが、
早期建設が求められています。


 グループホームなど地域密着型福祉サービス施設は、支援の予算をつけて募集してきても、
応募にいたらず、区の施設との合築等積極的な支援を求めてきましたが、このたび
2箇所で応募があり前進しました。


 旧清水社会教育観あとに、目黒本町福祉工房が開設し、生活介護(旧上目黒)、
就労支援(旧中央町)を5階建ての施設の整ったところに統合されました。

▲5階建ての目黒本町福祉工房の案内




2011.4.11

子育て支援〜保育園増設、定員拡大〜学童保育新設

 目黒区では、働きながら子育てをしたいための保育需要が拡大し、その中でも待機児解消のため、
新園開設支援、定員拡大が進められてきましたが、追い付きません。


 今年度の予算では、中央町保育園、第2碑文谷保育園の改修にともなう定員拡大、
賃貸型認可保育所開設支援(定員120名)などが盛り込まれています。


 また、中根小内で施設整備を行ない、中根小内学童保育クラブの受け入れ枠拡大を
行なうことになっています。



▲餅つきの会で子どもコーナーが設けられました



2011.4.11

地域コミュニティー、見守りのネットワーク

 目黒区で、ミイラ化した状態で、高齢者が発見されました。
多くの孤立した高齢者がさまざまな心配を抱えて暮らしております。


 地域コミュニティーを豊かにしてゆくために、区政からの支援も
求められており、包括支援センターや地域の民生委員やさまざまな人が
連携して高齢者見守りネットワークを展開してゆくこととなっています。


▲地域の高齢者を町会事務所に迎えたミニコンサートに参加(中町東町会)



2011.4.11

住まいの安心安全と住宅福祉

 東京、関東を今回の規模の地震が直撃する危険は迫っています。
目黒でも、耐震上問題のある建物は相当残っており、耐震診断
耐震改修の助成がはかられていますが、十分に進んでいません。


 今予算で、分譲マンションアドバイザー制度が創設され、また、
耐震診断士による木造住宅の戸別訪問の実施
(とりあえず上目黒木密地区)が盛り込まれました。


 高齢者が住み続けられるためのリフォーム助成はさらに進められます。


 要介護で低所得高齢者が行き場がなくなり、劣悪な施設で火災事故があり
問題になりましたが、都市型軽費老人ホームの整備を1箇所支援することも
予算化されています。



2011.4.11

原発の安全神話崩壊 自然エネルギー、省エネルギーへ

 今回の原発事故で、原発安全神話は崩壊しました。
そして、いざ事故が起きるととめどもない被害が生じることが明らかになりました。


 脱原発、真にクリーンな自然エネルギーに置き換え、一方で省エネを
進めねばなりません。


 太陽光発電パネルを設置することに支援してゆくことが、目黒では、
昨年から始まり、申し込みが予測を上回っており、
さらに進めねばなりません。


 また、少ない電力ですむ街路灯のLED化、省エネ化を支援することになっています。



2011.4.11

目黒清掃工場 水銀混入で炉が停止に 環境、健康破壊は許さない

 2月22日、目黒清掃工場では、1号炉排ガス中の水銀濃度が自己管理値をこえる恐れが生じ、
10日間ほど焼却炉が停止しました。


 実は、昨年6〜7月、都内の4清掃工場で、つぎつぎに炉内水銀濃度が異常になり炉を停止、
とりわけ足立清掃工場では、バグフィルターという除去装置に水銀がべったりついて、
取り替えを迫られ2億円を超す出費を迫られました。
言うまでもなく、その軽費は23区全体で負担、目黒区民の税金も注ぎ込まれています。


 水銀は、大気中に放出されれば、人体に吸い込まれる可能性が生まれ、
体内蓄積が進めば、水俣病のとうな神経障害や、内臓障害を引き起こします。


 戸沢二郎区議は、3月1日の区議会本会議で、プラスティック焼却を進める
「サーマルリサイクル」以降、分別が乱れ、水銀を含むゴミが入りやすくなったこと、
その後、目黒では、廃プラスティックを資源として回収することになりましたが、
隣接区では行なわれず、分別が乱れ、不適切物の混入したゴミが目黒の清掃工場で
燃やされていることなどの問題点を指摘しました。


 水銀は、体温計、血圧計に使われているほか、輸入製品中の電池、蛍光菅、
銀朱塗りの漆器などにも含まれ、可燃ゴミに持ち込まれる事態が全都的に広がっている可能性があり、
健康破壊、環境破壊を許さないための取り組みが求められています。
こうした製品と、スプレー缶、ライターなどが可燃ゴミに入って、
清掃車が路上で火災を起こす事故が何件も発生していることを考えるなら、
有害、危険物は別途回収してゆくべきです。




2011.4.11

非核平和都市目黒へ、自治体交流の積極化へ

 戸沢区議は、毎年、広島、長崎の原水禁止大会に参加してきましたが、
平和都市宣言をしている目黒区では、毎年、子どもたちを広島に派遣し、
被爆者との交流、平和記念式典への参加を進めてきました。


 このたび、広島、長崎の市長が呼びかけて世界の多くの都市が参加してきた
非核平和都市のネットワークに参加することとなりました。
秋刀魚祭りなどの縁で気仙沼市、米の縁などで角田市姉妹都市となっております。


 また、目黒区は、北京市祟文区と友好都市としてさまざまな交流を進めてきましたが、
祟文区は隣接する東城区と合併し、新たな友好関係を確認しました。


 さらに、新しく、ソウル別市中浪区より友好交流の申し出があり
交流関係の確立に向け連絡を取りあうことになっています。



▲油面公園梅祭りに参加(油面住区住民会議主催)



2011.4.11