目黒区議会本会議で予算賛成討論をしました(3月30日)

私は、社民党所属の区議会議員として、議案第16号、平成22年度目黒区一般会計予算に賛成の立場で討論します。





米国発の金融危機を契機とする世界大不況のなかで、冷えきった内需と外需頼みの「好景気」を併せ持っていた日本経済は、

世界でも、落ち込みの度合いが深い深刻な状況を迎えてしまいました。


現在、ようやく、回復の兆しもいわれ、実質国内総生産(GDP)も3,4半期連続のプラス成長となってきてはいますが、
それは、中国など新興国での需要の高まりと、欧米などでの経済対策効果に牽引されて輸出が増加してきたこと、
日本国内でも経済対策効果で、多少なりとも、需要が増大し、一定部門で設備投資が持ちなおしたことなどによります。



しかし、厚生労働省の発表による2009年の現金給与額の月平均は、前年比3・9%減と1990年代以降で
最大のマイナス幅を記録し、失業率の高止まり、就職率の悪化と、国民生活の不安は高いままで、ものも売れず、
デフレ傾向を強めているというのが、現実です。



こうしたなかで、特別区税も12億円余の減収、特別交付金12億円の減など、
今予算は、大きな歳入減のなかででの編成とならざるをえませんでした。



大不況に突入するなかで目黒区は、これまで、4度にわたる緊急経済対策を実施し、さらに22年度についても、
「暮らしサポート22」として16億円余が予算計上されていますが、妥当な対応です。



また、目黒区は、基本計画、実施計画を改訂し、少子高齢化が進むこれからの目黒で、計画的に、
福祉、子育て、環境、安全な街づくり、基盤整備を進めることとし、22年度はその初年度にあたります。



そのためにも、歳入不足下ではあっても、未来を見据えた必要な施策は実施し、合わせて不況対策も取り続けなければならず、
本予算が、基金を取り崩して、その規模をほぼ昨年並みに近いところまで保ったものとしたこともやむをえません。



とりわけ、緊急を要する、保育園の増設、募集枠の増や、学童保育クラブ、児童館の増設、定員の拡大などの子育て支援や、
福祉基盤の整備に、とりわけ積極的な対応をとったことは、評価できます。





さらなる課題も明らかになってきています。



やむをえないとはいえ、充分なレベルとはいえない基金残高のなかで、これを取り崩したなか、経常収支比率も80%をこえ、
財政構造の脆弱化への懸念が生じかねない恐れが生まれています。

歳入不足を生み出している経済状況は、さらに1年は続くといわれ、その後、ある程度は上昇してゆくと思われますが、
必要なところには、しっかり配分しつつ、財政規律に、目を配り続けることが問われています。



保育園、学童保育などの増設、定員拡大など、子育て支援は推進されてきましたが、緊急度の増大に追い付いておらず、
さらに前倒しで進められるとされていますが、強くその推進を求めます。



特養新設や、地域密着型サービスの着実な整備もまったなしですが、必要に追い付いてません。
整備環境の改善に、より踏み込んだ対応が求められています。



また、福祉分野で働く人の処遇は劣悪で、求められるサービス水準を維持する前提に不安があります。
新政権は、その改善に一定の対応を進めていますが、その成果が、全ての対象者に及ぶことが大切です。

また目黒区では、看護師の夜間派遣を進めてきましたが、その推進と民間特養へも適用するよう求めます。



不況のなかで、雇用の安定、就職不安がさらに広がり、就労支援施策のさらなる推進を求めます。



国民健康保険料が払えない人が増大し、健康悪化と仕事がない不安が悪循環をなして進む事態が懸念されます。
保険料の軽減と保健サービスの維持、生活保護の必要な人への着実な適用など、セーフティーネットを保障することが問われています。



少子高齢化が進むなかでの福祉の街づくりにとって、住まいの安心、安全はとりわけ大切ですが、福祉住宅づくり、
住宅改修支援など着実な推進を求めます。

耐震診断、改修への支援が求められるなか、とりわけ非木造で進まない状況の情況の改善のための施策の前進が求められます。



また、住宅リフォーム支援は、多くの前進を求める声があり、その推進を求めます。



環境の街づくりを進めてゆく上でも、ゴミゼロをめざし、分別の徹底と、廃プラスティックの資源化回収の推進の徹底が課題です。
本来、プラスティックは、製品化にあたって、可塑材などに重金属を含み、焼却不適物であり、かつ工場で燃やせば、
焼却を加速し、炉内を高熱化し、炉を傷める要因になる不安があります。



資源化回収しないで、サーマルリサイクルという方式で集められた他区のゴミが目黒の工場で燃やされ続けることは問題で、
23区全体が、資源化に進むべく、リードしてゆくことを求めます。



2010.4.2